開発環境構築方法(Arduino IDE)
はじめに
ESP32の開発環境はいくつか存在します。
1.Arduino IDE
2.PlatformIO
3.ESP-IDF
4.MicroPython
5.Lua
6.JavaScript
…
最初は、比較的わかりやすい Arduino IDE を使用することをお勧めします。ただし、Arduino IDE は扱いやすいように単純化されていたり、サポートされていない機能もあり、実現できないこともあります。ESP32に慣れて、より複雑な動作をさせたくなったら、PlatformIO(VS CODE) を使用した開発環境に切り替えるのも良いと思います。
開発環境
OS : Windows 11 Pro
ESP32:ESP-WROOM-32
Arduino IDE は、Windows,Lunux,MacOS に対応しています。
本記事では、Windows版で進めます。
作業内容
Arduino IDE インストール
Arduino IDE は、最新バージョンの 2.X.X 系と、レガシーバージョンの 1.8.X 系が存在します。
2.X.X 系の方が、見やすくコーディングしやすい印象を受けますが、ESP32ではまだサポートされていない機能があるため、レガシーバージョンの最新である 1.8.19 を使用する方が無難です。
ただし、2.X.X 系 と 1.8.X 系 は、共存できるため、どちらもインストールして使い分けることもできます。
Arduino IDE 1.8.X系
Arduino IDE 1.8.X系 ダウンロード
下へスクロールするとLegacy IDE のダウンロード場所があります。
「Windows Win 7 and newer」をクリックします。
寄付をするか問われます。しない場合は「JUST DOWNLOAD」をクリックします。
最後にニュースレターの登録を促されます。しない場合は、「JUST DOWNLOAD」をクリックします。
ダウンロードが完了すると「arduino-1.8.19-windows.exe」というファイルができます。
Arduino IDE 1.8.X系 インストール
「arduino-1.8.19-windows.exe」をクリックして実行します。
「I Agree」をクリックします。
「Next」をクリックします。
「Install」をクリックします。
「Close」をクリックしてインストール完了です。
デスクトップにショートカットが作成されていれば成功です。
Arduino IDE 2.X.X系
2.X.X 系は、先ほど述べたように、まだサポートされていない機能があることを認識した上でレガシーバージョンと共存する場合に、インストールしてください。
Arduino IDE 2.X.X系 ダウンロード
画面上部に最新バージョン(執筆時点で2.3.2)のダウンロード場所があります。
「Windows Win 10 and newer, 64 bits」をクリックします。
この先は「Arduino IDE 1.8.X 系」と同じように、寄付とニュースレターの登録を促されます。
しない場合は「JUST DOWNLOAD」をクリックします。
ダウンロードが完了すると「arduino-ide_2.3.2_Windows_64bit.exe」というファイルができます。
Arduino IDE 2.X.X系 インストール
「arduino-ide_2.3.2_Windows_64bit.exe」をクリックして実行します。
「同意する」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
「インストール」をクリックします。
「完了」をクリックしてインストール完了です。
デスクトップにショートカットが作成されていれば成功です。
Arduino IDE 環境設定
ここからは、レガシーバージョンの 1.8.X 系で説明を進めます。2.X.X 系も設定内容は同じため省略します。
先ほどインストールしたショートカットを実行します。
「ファイル」→「環境設定」の順にクリックします。
「追加のボードマネージャのURL」に以下のURLを追記し、「OK」をクリックします。
次にボードマネージャを開きます。
「ツール」→「ボード」→「ボードマネージャ」の順にクリックします。
画面上部に「esp32」と入力し、『by Espressif Systems』と記載されている項目をインストールします。
「インストール」ボタンの左にバージョンを選択できるプルダウンから「1.0.6」を選択します。
最近版を使用すると、ボードによっては正常に動作しない場合もあります。 特に不便を感じない間は安定版の「1.0.6」を使用することをお勧めします。
しばらく待つとインストールが完了します。
「1.0.6 INSTALLED」と表示されていれば成功です。
バージョンを変更する場合は、「バージョン選択」のプルダウンから選択してインストールを実行します。
最後にボードの種類を選択します。
「ツール」→「ボード」→「ESP32 Arduino」→「ESP32 Dev Module」を選択します。
これで環境設定は完了です。
動作確認
実際にESP32とPCを接続してサンプルプログラムを動作させてみましょう。
COMポート選択
ESP32とPCをUSBケーブルで接続します。
※通信可能なケーブルで接続してください。充電のみのケーブルでは通信できません。
※品質が良くないケーブルや長すぎるケーブルを使用するとESP32が再起動したり思わぬ不具合が発生することもあります。
できるだけ、信頼できるケーブルを使用してください。
「ツール」→「シリアルポート」をクリックし、今回接続したCOMポートを選択します。
私の場合は、COM3となりました。
COMポートが複数存在してわからない場合は、デバイスマネージャを開いて確認してみてください。
デバイスマネージャは「Win+X,M」で起動できます。
この時、クエスチョンマークやビックリマークが表示されている場合は、ESP32との通信で使用する「CP2102」というドライバがインストールされていない可能性があります。
その場合は、ドライバを発行している Silicon Labs のサイトからダウンロードしてインストールしてください。
また、そもそもCOMポートが表示されない場合は、PC側のUSBポートを変えてみるか、ケーブルを交換してみてください。
サンプルコード作成
サンプルコードの作成をしてみましょう。
せっかくなので、Wifiを使用したサンプルコードを使用してみます。
ESP32でWifiスキャンし、表示させてみます。
「ファイル」→「スケッチ例」→「Wifi」→「WiFiScan」の順に選択します。
新たにサンプルコードが記載された画面が表示されました。
もともとあった画面は消して問題ありません。
サンプルコード書込み
右矢印のボタンをクリックすると、コンパイルとESP32への書き込みが始まります。
「Connectiong…….._____…..」が表示されている間に、ESP32のbootボタンを長押しして、フラッシュモードに切り替えます。
このように表示されれば、書込み完了です。
サンプルコード動作確認
画面右上の虫眼鏡アイコンをクリックすると、シリアルモニタが表示されます。
5秒毎にWifiスキャンし、スキャン結果が表示されます。私の環境では6つスキャンできました。
ESP32は2.4GHzに対応していますが、5GHzには対応していないため、5GHzのWifiは検出できません。
おわりに
問題なく動作確認できたでしょうか?動作しない場合は、一つ一つ再度確認してみてください。
品質の良くないケーブルのせいで動作しないことは、よく発生します。成功すると、その時使用したケーブルをESP32専用にすると良いと思います。
コメント